砂漠の夜の幻想奇談


「貴様っ!戻れ!」

慌ててカシェルダが連れ戻そうと後を追う。

その間シャールカーンは、自分はどう動こうか悩んだ。

ダハナシュに同調すべきか、否か。

正直なところ、あの水に濡れたサフィーアをもう少し見つめていたかった。

邪な思いを胸に戻ったらダハナシュ同様、ドニヤから「変態覗き魔」の称号を与えられるかもしれない。


(それでもいいと思うなんて……男って生き物は馬鹿だな)


自嘲して木立を掻き分ける。

するとそこには、いきなり現れた男三人にビックリ仰天のサフィーアがいた。


「姫、水浴びをするなら俺も誘ってくれればいいものを」

ニッコリ笑うダハナシュをポカンとした表情で見上げるサフィーア。

「魔神!貴様いい加減にしろ!」

信頼のおける護衛官に視線を移し、それから彼女はシャールカーンの姿を視界に映した。