ドニヤの言う通り、中庭の奥には人工の泉があった。
広い泉は鬱蒼と茂った木立に囲まれ、一種のプライベートな空間を作り出している。
泉で水浴びをしていても、木立に近寄らなければ外からは決して様子をうかがえない。
しかもこの泉は太守のプライベートゾーンの一部なため、召使達は入って来ない。
ゆえに、サフィーアがあられもない姿になっても全く問題はないのだ。
やって来たサフィーアは木立の陰でゴソゴソと衣服を脱ぎ、泉に足を浸した。
近くにはドニヤがタオルを持って控えているが、もう慣れてしまったので彼女がいても気にならない。
(気持ちいい!)
足を動かして、ぱしゃぱしゃと跳ねる水の音を楽しむ。
「サフィーア様、肩に水をおかけしましょうか?」
小さなお椀を片手にドニヤが尋ねた。
(うん!お願い!)
笑顔で頷いた主人にドニヤも笑顔を返す。
誘って良かったと彼女は内心ホッとした。



