砂漠の夜の幻想奇談


「でも、バキータに会ってどうすんだ?」

「様子を見たいんだ」

あっさりハッキリ答えたカシェルダ。

トルカシュは隣を歩く護衛官を横目で見やった。

「見て何かわかるのか?」

探るような視線を向けられ、カシェルダはコホンと咳ばらいを一つ。

「こう見えて俺は動物の扱いに慣れている。特に…虎は、な」

「へえー、ペットでも飼ってたのか?」

「まあ…そんなとこだ」

話しているうちに目的の檻に辿り着いた。

今までも歩いて檻のような牢屋をいくつも通り過ぎてきたが、バキータが入れられているのは一番奥にある最も広い所だった。

「バキータ…」

呼びかけながら近寄ると、寝転んでいたホワイトタイガーは耳をピクリと反応させ、ぎらつく瞳をカシェルダに向けた。