砂漠の夜の幻想奇談



 地下へと続く螺旋階段を下り、薄暗い廊下を進む。

所々にランプの明かりが灯っているだけの地下世界は、上とは随分様相が違っていた。

明かり取りの窓一つない完全なる閉鎖的空間。

掃除が行き届いていないせいか、蜘蛛の巣が目立つ廊下。

空気の流れは淀んでいて気持ち悪い。

いくら夜行性だからといって、虎を飼育するのに適した環境でないことは一目瞭然だ。

「こんなところにバキータを閉じ込めているのか」

思わず呟いたカシェルダの独り言に対し、案内人のトルカシュがムッとした表情で反応した。

「非難がましく言うなよ。こっちだって好きでこんなとこに入れてるわけじゃないんだぜ」

バキータが大人しければ外に出してもやれる。

が、今のところ、それは実現不可能だ。