「さて、カンの次は俺のお相手をしてもらおうかな。姫君」
弟が行ってしまってすぐのこと。
シャールカーンはサフィーアの黒髪を掬い上げ、その滑らかな感触に口づけた。
(ひゃう!?)
突然の行為にサフィーアはビクリとしてから身構える。
頬を赤らめ困惑したような視線を寄越す姫君を満足げに眺め、シャールカーンはクスリと笑った。
「なんてね。もうすぐカシェルダが来るだろうから邪魔されてしまう。二人きりでゆっくりするのは日が落ちてからの楽しみとしようかな」
言った直後、彼の予想通り部屋の中にカシェルダが駆け込んできた。
「姫、ただ今戻りました」
ご苦労様と紙に書いてカシェルダを出迎える。
カシェルダは文字も読める優秀な武官なのだ。



