「ドニヤはカシェルダが好きなの?」
何の悪意もないカンマカーンにもう一度尋ねられ、ドニヤは鯉のように口をパクパクさせた。
「ああああのっ!そりゃあ、好きか嫌いかと問われれば嫌いではないわけですが好きだからといってそれほど特別な感情があるわけでは…!」
「落ち着いて、ドニヤ」
「は、はい!申し訳ございません…!」
必死に否定していたが、どうやら当たりらしいとサフィーアの乙女の直感が告げる。
(ドニヤがカシェルダを好きなら、応援するわ!)
心の声をそのまま紙に記し、カンマカーンに読み上げてもらった。
すると…。
「応援なんて…そんな!サフィーア様、違うんです。彼はその……アイドルのような存在で……みんな好きなんですよ!ほら、ご覧下さい!あの人だかりを!」
示された方向に目をやると、中庭の周りには人だかりならぬ「侍女だかり」が。



