「成る程……うん。夜這いしやすいね。ドニヤに感謝だな」
(よ、夜這い!?)
飛び出た単語にビックリしたが、自分が呼んだ理由を思い出しハッとする。
(そうだ!手を見せてっ)
サフィーアは傷だらけの手を引き寄せ、丁寧に包帯を巻き出した。
「ああ、すまないね。助かるよ」
不器用だからこそ集中して作業をするサフィーアを見つめ、シャールカーンはボンヤリと考えた。
「……ねえ、サフィーア」
少しして手当てが終了し、彼女にお礼を言ってから気になっていたことを口にする。
「もし、あの時…俺が止めに来なかったら…君はカシェルダと行ってしまっていたのかな…?」
唐突な質問にサフィーアは大きく目を見開いた。
そして、戸惑うように視線をさ迷わせる。
「はい」とも「いいえ」とも違う反応にシャールカーンは苦笑した。
サフィーアに背を向け、窓辺に寄り掛かる。



