思案するように間をおいてからの頷き。
その様子からしてシャールカーンはダリラをあまり信用していないようだ。
否、信用していないというよりも警戒していると言った方が正しいのかもしれない。
カンマカーン王子の乳母である彼女はゾバイダ王妃お気に入りの侍女でもあるのだ。
裏でどんな命令を受けているかわからない以上、警戒するに越したことはない。
「バキータは今どこに?」
「地下の檻に閉じ込めております」
「そうか。さらにストレスが溜まりそうだね」
会話中にも鳴り響いていた琵琶の旋律が途切れた。
奏者が交代し新たな音が紡がれる。
午後のひとときは緩やかに流れ、宴は夕暮れまで続いた。



