砂漠の夜の幻想奇談


「けれど、カシェルダに部屋は用意しないからね。廊下で寝るといいよ」

これを聞いたサフィーアはギョッとした後に「どうしよう」と困惑の表情を浮かべた。

当人である護衛官は姫を見つめてニッコリ笑顔。

「ご心配なく。私に部屋など必要ありません。夜は姫の部屋の前で見張りをしつつ仮眠しますから」


(そんな…。カシェルダ、無理してない?)


「無理などしておりませんよ。過去を振り返ればそんなこと、私にとっては苦難にすらなりません」


(でも…心配だわ。ちゃんと寝なきゃ病気になっちゃうのよ?)


「体調管理には気をつけます。それに軍で鍛えてますから、こう見えて私は頑丈ですよ」


(………あら?カシェルダもしかして、私の心を読んでるの?)


「姫は表情に出やすいので、読心術がなくとも察するに難くありません」


(私って、そんなにわかりやすいの!?)


新事実にショックを受けるも、伝わらないよりは良いことだと解釈をしたサフィーアは前向きだ。

「では参りましょうか」


カシェルダをお供にドニヤの案内で個室に通されたサフィーアは、装いを新たにし歓迎の宴に参加した。