砂漠の夜の幻想奇談


ならば、と三日月刀を拾い上げ遠慮なく鞘におさめる。

そんなカシェルダを見届けてからシャールカーンはカンマカーンに向き直った。

「さて、カンのために宴を開こうか。バルマキー、トルカシュ。カンを広間へ案内して」

「御意。王子、こちらです」


バルマキー達が行ってしまうとシャールカーンはサフィーアに近寄った。

「サフィーアも宴に出てほしいな。カンのことも紹介したいし」

快い招待を受け嬉しそうにするサフィーア。

そこでカシェルダが提案した。

「では一度お部屋にお戻り下さい。着替えて出席なされた方がよろしいですよ。そこの侍女、サフィーア様の寝室はどちらだ?」

呼ばれたドニヤが口を開く前に、ニヤリと笑ったシャールカーンがハッキリ言った。

「俺の部屋だよ」

「は?」

「サフィーアの部屋は俺の部屋。一緒の寝室を使ってるんだ」

「なっ!?」