心底嫌そうな顔をしていたカシェルダだったが、少しして諦めたように溜息をついた。
「……わかった。姫、よろしいでしょうか?もうしばらくの間、こちらに留まるということで」
真昼間から殺伐とした決闘をされるよりマシだ。
サフィーアはコクリと頷いた。
「やけに聞き分けがいいな」
「本当のところ、姫を奴隷身分のまま連れ帰るのはいかがなものかと思っていたんだ。お前との勝負に勝って身分を解放してからでないと、姫の護衛を任された身として、国王に合わす顔もない」
言いながらカシェルダは握っていた三日月刀を地面に置いた。
「これは一旦返しておく」
「いいよ。あげる。いくら君が強くても、小さな短剣だけじゃ護衛官は務まらないだろう?」
「……いいのか?俺はお前の敵だぞ」
「サフィーアに剣を向けないなら問題ないよ」



