砂漠の夜の幻想奇談


中庭に響いた、低い獣の唸り声。

「なんだ?今のは」

良からぬ空気に気づいた二人が攻撃の手を止め、辺りを見回した瞬間――。


――ガオオォオ!!!!


遠吠えのような鳴き声の後、巨大な白い獣が彼らに突進してきた。

「あれは…バキータ!?」

シャールカーンが慌てて獣から遠ざかる。

カシェルダも呆気にとられつつ、間一髪で後方へ飛びのいた。


――グルルル…


突如現れた獣の正体は、ホワイトタイガー。

名前をバキータという。


「兄上!ご無事ですか!?」

ここでバキータをけしかけた張本人、カンマカーンが登場した。

彼の後ろにはハラハラして成り行きを見守るサフィーア達がいる。

「カン!?なぜここに!?」

「兄上をビックリさせようと思って、遊びに来てしまいました」

「遊びにって…お前…」