砂漠の夜の幻想奇談



 その頃、中庭では互いに体力を削りながらも、一歩も譲らない戦いが繰り広げられていた。

両者、激しく刃を唸らせ睨み合う。

「単なる護衛官が、なぜここまで熱くなる?サフィーアは君の、何なのかなっ!」

カシェルダの剣を薙ぎ払い前へ出る。

「姫は俺の全てだ。俺の生きる意味そのもの」

攻撃を右に左に避けながら攻守逆転の隙をうかがうカシェルダ。

「姫が死ねば俺も死ぬ。そういう関係だ!」

冷静な一撃。

カシェルダの刃がシャールカーンの腕をかすめた。

「くっ…!」

痛みに顔をしかめるも、すぐに体勢を立て直し、続けざまの攻撃をヒラリとかわす。

「逃げるな!腰抜け!」

「君だって、さっき避けてたじゃないか」

「だいたい貴様!姫を買ったなどと…!赦せん!姫が奴隷?貴様が主人!?信じられるか!!」

「八つ当たり?それとも嫉妬?」


罵り合いながらも刃を交えていた時だった。