砂漠の夜の幻想奇談


「いくら真剣な決闘といえども、可愛い弟君を傷つけるような真似はしませんよ。あの方は」

バルマキーの鋭い眼差しが愛くるしい少年に注がれる。

「やっていただけますか?王子」

「え?何を?」

「シャールカーン王子の決闘を止めていただきたいのです」

「兄上が決闘…?」

「はい。放っておけば死ぬまで続きます」

「死!?そんな…!止めよう!今すぐ!兄上はどちらに!?」

「中庭です」

飛び上がらんばかり驚いた後、すぐさま走り出しそうになったカンマカーンだったが、一瞬迷った。

「…でも、僕なんかでは…………あっ、そうだ!バキータを連れてくるよ!きっとビックリして決闘どころじゃなくなるはず!」

この発言に、バキータを知るサフィーア以外の人間がゾッとした。