砂漠の夜の幻想奇談


「けど、王子がなんでダマスに?巡礼の途中ですか?」

誰しも思った疑問をトルカシュが尋ねると、カンマカーンはにこやかに言った。

「遊びに来たんだよ」

「遊び!?王子!そんな軽く言わないで下さいよ!砂漠越えて来たんですよね!?」

「もちろん。どうしたのトルカシュ?僕が遊びに来てはダメだった?」

「いいも何も…体調不良になったらどうすんですか!ただでさえ貴方様は体弱いのに…!」

「一人旅ではないから大丈夫だよ。相変わらずトルカシュは心配性だね」

そう言ってクスクス笑うカンマカーン。

そんな彼を見つめていたバルマキーが、不意に口を開いた。


「………ああ、名案が浮かびました」


声に反応して皆が一斉に彼を見る。

「カンマカーン王子にお二人を止めていただきましょう」

「はあ!?何考えてんだよ!」

「危険では?」

ドニヤの不安を、頭の切れる側近は一蹴した。