砂漠の夜の幻想奇談


「母上?」

どうしたのだろう、と首を傾げながら母親に歩み寄るサフィーア。

すると王妃様は憂いを帯びた表情でこう言った。


「サフィーア…。この小部屋を、見つけてしまったのね」

「ええ、母上」

「では、気づいたかしら?貴女には…兄弟がいるのよ」

「はい。この前知ったばかりです。ねえ、母上。兄上達は今どこにいらっしゃるの?」


この何気ない問い掛けに、王妃様は突然ワッと泣き出した。

「は、母上!?」

「王妃様!いかが致しましたか!?」

心配して声をかける二人に王妃様は泣きながら話し出した。


「私のせいなのです!嗚呼、可愛い私のサフィーア!貴女を望むばかりに、私は…私は…」

床に泣き崩れた王妃様は、十四年間隠し通してきた自分の罪を娘に語った。

「魔神と、契約を交わしたのです。貴女を授かる代わりに、十二人の息子達を差し出すと…!」