砂漠の夜の幻想奇談


「あの女なら、売っちまったよ」

「誰に売った!」

「奴隷市場にいたジジイさ。いい値で売れたぜ~」

「やはり奴隷商人に売ったか。この外道がっ!!」


カシェルダはスラリと短剣を抜いた。

「テメェ、やろってのか!?ああ゙!?」

戦闘態勢のカシェルダに眼(ガン)をつける。


「どこの商人だ?金の受け渡しに相手の屋敷へ行っただろう?」

「ヘッ!だ~れが教えっかよ」


男に反抗的な眼差しを向けられ、カシェルダは無表情で短剣を突き刺した。


「ぎゃああ!!」


彼の目に――。


「俺の剣は殺人を厭(イト)わない。お前の目をえぐり出すことにも、躊躇いなど感じない」


カシェルダの狂気を孕んだ瞳に見下され、男は戦慄を覚えた。

「ひっ、ひぃい!!わかった!言うっ!!確か、南地区にあるデケェ屋敷だ!」