「なっ!?」
侮辱されたとわかり口を開きかけたカカーンの娘を遮って、シャールカーンはサフィーアに近づいた。
「おいで、俺の愛しいお姫様」
差し出された彼の手に応えなければ。
わかってはいたが、サフィーアは未だシャールカーンの色気にあてられて放心していた。
「全く、焦らすのが得意な子だね」
やれやれと溜息をつきながらサフィーアを抱き寄せる。
王子の腕の中で彼女は我に返った。
「まさか!その女は召使では…!?」
驚愕するカカーンの娘にシャールカーンはサラリと言った。
「違うよ。俺の寵姫、サフィーアだ」
見せつけるようにサフィーアの頬へ接吻する。
この日をきっかけに、麗しの第二王子に寵姫ができたという噂がダマスの町中に広まった。



