砂漠の夜の幻想奇談


考えながらモザイク画を眺めていると、カシェルダの顔を見つめていたサフィーアが唐突な話題をふってきた。

「カシェルダ、前髪邪魔じゃないの?」

「え?」

「前から思ってたのよね。左側の髪、うっとうしそうよ?あ、カシェルダから見たら右側ね」

カシェルダの黒髪は首元までで短いが、前髪が半分だけ長い。


「ああ、これは良いんです。傷跡を隠すためなので」

「傷跡?顔に傷があるの!?」

初耳で驚く。

サフィーアは元来くりくりの目をさらに丸くした。

「はい。丁度、額からまぶたにかけて切り傷がありまして。人が見たらいい気分はしないでしょうから、前髪で隠しています」

「いいお医者様を呼んであげましょうか?傷跡を消せるかもしれないわ」