一方、客人が来たことに全く気づいていないサフィーア達は、まだ庭にいた。
「この後は水洗いをしてから繊維の方向を整えていくんです。それが済んだら糸紡ぎに入ります」
ドニヤの説明を聞き漏らすまいと力んだ様子で頷くサフィーア。
それを見たドニヤは心の中で苦笑した。
(気を張り詰めすぎては良くないわね。慣れないことへの挑戦なんだし、まずはリラックスが必要かしら)
コホンと咳ばらいをしてからサフィーアに提案する。
「ですが、少し休憩なさって下さい。初めてで、さぞやお疲れになったでしょう?」
疲れてないとジェスチャーしそうになったサフィーアを遮って、ドニヤは続けた。
「私は羊を家畜小屋に連れて行きますから、サフィーア様は先に中へお戻りになって下さい。すぐにお菓子をご用意致しますね」



