「さあね。何はともあれ、捜索は任せたよ。机仕事より外で走り回っていた方がお前の性に合うだろう?」
「はい!そりゃもちろん!」
「では行ってこい」
「御意っ」
トルカシュは駆け足で執務室から出ていった。
「………行ったか」
聞き耳を立てて足音が遠ざかるのを確認すると、王子は文官のバルマキーに向き直った。
「さて、これで悪い話ができるね」
「話とは……あの件ですか?」
「ああ。お前の察しの通り、財務官についてだ。俺は今の財務官を罷免させたい。なぜだか、わかるよね?」
「……金、ですか」
「国の金…言うなれば王家の金だよ。奴はそれをちょろまかしてる。今までの太守は上手く抱き込んでいたみたいだが…俺はそんなに甘くない」
サフィーアを買った後、財務の記録を見直していたら発覚した事実。
「今日中に不正を暴き、罷免とする。バルマキー、お前には信頼できる後任の手配を命じておくよ」
「御意」



