砂漠の夜の幻想奇談


「やっぱり貴方よりもカシェルダの方がカッコイイわっ!」

正攻法がダメなら最低な条件を出す。

そんな男などカッコイイわけがない。

「カシェルダは貴方みたいな非道じゃないもの…!」

そこまで言ってサフィーアはハッとした。



「カシェルダ…ね」



笑顔だったが、シャールカーンに凄まじい殺気と恐怖を感じた。


「サフィーア」


「な、なに…?」

怖々と上目遣い。


「絶対帰さないからね」


笑顔で断言された。


「こ、困るわ!帰って早く兄上達の服を作らなきゃ…」

「服ならここにいたって編める。材料は提供しよう」

「そんな…」

悲しげに表情を歪めたサフィーア。

シャールカーンは少し言い過ぎたかと後悔した。


(どうすればいいんだ…。サフィーアに好かれるには、どうすれば…)


今まで、勝手に寄ってくるテキトーな女ばかりを相手にしていたせいで、素っ気ない本命の振り向かせ方がわからない。