砂漠の夜の幻想奇談


サフィーアが口でなんと言おうと、奴隷であるという証明書が残っている、と彼は言いたいようだ。

「今の君はお姫様じゃない。俺の奴隷なんだよ?いいね」

「よ、よくないわ!身分を戻して!お願い!」

また瞳が潤んできたサフィーアに、うーむと思案する。


「…そうだね。釈放証書を書いてあげないこともないよ」

「本当!?」

「ただし、条件がある」

「条、件…?」

嫌な予感がした。


「俺の花嫁になってくれたら、奴隷身分から解放してあげるよ」


嫌な予感はズバリ的中。

サフィーアは顔を青くさせた。


「もちろん、一度くらい祖国へ戻ることも許そう」

「あ、貴方…最低よ!」

「俺を最低な男にさせるのは君なんだ。わかってないね」

耳元で囁きながら、サフィーアの細い腰に腕を回す。