砂漠の夜の幻想奇談



 風呂を終えたら今度は着付けと化粧が始まった。

老人が指示を出したのか、白檀の木の箱にしまわれていた美しい衣装が、召使達の手によって着せられていく。


(わあ…とても滑らかな手触り)


白絹の薄い肌着に、金糸の刺繍がなされた着物を着せられる。

羽織らされた肩掛けは黄金を織り込んだ高級品で、足を飾るのは麝香(ジャコウ)の香りを含ませた赤い靴。

耳飾りは真珠。

首飾りは黄金。

胸元には宝石が散りばめられており、腰帯は琥珀の玉と黄金からなる上品なものだ。


(す、すごい…キラキラ…)


祖国の王宮でもここまで豪華に着飾りはしなかった。

全身をあらゆる宝石で飾られたサフィーアは文化の違いに呆然となった。


と、そこへ。


「仕度はできたかな?」