「と…稔麿。なんか企んでねぇ?」


高杉は吉田を疑うような目で見ながら首を傾げる。


「……このまま葬られたい?」


「遠慮するぜ……。
別に女中にするのは構わねぇ」


絶対零度の視線に高杉は身を縮めて苦笑いしている。


「これ着といて」



洋服姿では面倒ごとが多々起こるらしい。

大きい羽織の前を合わせると吉田は歩き出した。


「ほらよ。迷ったら危ねぇから」

さっと高杉は七緒の手を取り、吉田の姿を追った。