杏side

「お母さん、お父さん誰がきたのー?」

リビングには見知らぬ男の人。

「覚えてないかい?小さい頃に一緒に遊んでた、光稀くんだよ。」

みづき...光稀...にぃ....?

「ただいま杏。にぃだよ。」

「え...、にぃ??ほんとににぃなの??」

「ホントだよ。おっきくなったね。」

まさか、にぃにまた会えるなんて思ってもみなかった。

予想外の出来事にほとんど放心状態だった。

「杏、少し散歩行かない??」
「行く!」
「仲の良さが相変わらずでよかったわぁ〜。」

にぃからの誘いに即答してしまった…。
お母さんがニヤニヤしているのを私は見逃さない。

「お母さんニヤニヤしすぎ。なに期待してるのよ〜」

冗談でからかうつもりで言ったのに、

「だって、ねぇ?」
「なぁ?」

両親揃って何事...。

両親の態度が少し気になりながらも、にぃと散歩に出かけた。