杏side
寿命のこと、言いそびれちゃったなー

その日の夜、私はアッカと電話をした。
言えたことを報告するために。
「アッカ、あのね瞬に、言えたよ。
 あの事。」
数秒沈黙があったあとに
「そっか、寿命のことは、いえた?」
アッカが言葉を発した。
「ううん。言えてない。」
「そっか。少しずつでいいんだよ。少しずつね。」
アッカの優しさに泣きそうになる。
「ありがとう。」
「じゃあ、明日学校でね!」
「うん。おやすみ!」
「おやすみー!」
私は電話を切ってすぐに眠りについた。