「こんにちわ」

「こんにちわ。翔君、今年も来てくれたのねっ?きっと、江梨花も喜んでるわっ。けど…もう、無理して来なくていいのよ?」

無理して?
無理なんてしてねー。

「無理なんて、してませんよ?」

「…そう?だったら、いいのだけど…。あの事件、翔君が悪いわけじゃないのよ?だから、もし気にしてるな「気にしてないですから。俺は、自分で…来たいだけなんで」…あら、ごめんなさいねっ。じゃあ、またね?」

「さようなら」

なぜ、俺はキレた口調で気にしてないって言ったんだろう。

本当は、気にしてる。
あの事件のことを。

「なぁ…江梨花、ごめんな…」


俺は、江梨花に謝って墓場を後にした。