シュシュ~番外編①~

「私はそんなこと認められません」

「美織さん、貴女はご両親がいない身だと聞いています」


「・・・それが?」

「私のような相手と結婚すれば、この先、路頭に迷う事もない。

今、貴女が、付き合ってる星野龍之介は星野建設の社長だ。

そんなまっとうではない男と結婚するより、私と結婚した方が、

貴方は幸せになれるはずですよ」


「・・・そんな事、勝手に決めないでください。

龍之介さんは、しっかりしている方ですし、会社もまっとうな会社です。

おじい様やお父様が、一生懸命築き上げてきた立派な会社です。

その会社の悪口を言うのは許しません。

星野家の皆は、私にとって家族も同然です」


言った、言ってやった。

私の思うことすべて。でも、本当の事だから。

私を姉のように慕ってくれる薫子ちゃん。

私を本当の娘のように可愛がってくれるマリアさんや会長。

そして、誰よりも私を一番に愛してくれる龍之介さん。


私はそんな沢山の愛情の中今までやってきた。


「…本当に?龍之介さんは、君を心からいしてくれていますか?」

「・・・え?」


「貴女抱きもしない彼が、本当に、貴女を心から愛してるとお思いになられますか?」

「…何で、それを」