シュシュ~番外編①~

「美織って、笑うと可愛かったんだな」

「なっ///」

突然の言葉に、フォークとナイフが止まる。


「オレの前で、普通に笑ったのは、初めてだ」

「・・・」

言われてみれば、確かに、普通に笑った事はないかもしれない。

いつもビクついてて、なんだか怖くて、

作った、しかも、若干引きつった、そんな笑顔。


「会話だって、こうやって、普通に出来たのも初めてだ」

そう言ってフッと笑った龍之介は、料理を口にした。


「・・・ごめんなさい」

「・・・ん?」


「龍之介さんって、いつもカッコよくて、それでいて、

雰囲気が怖くて、表面の龍之介さんしか見てなくて・・・

そんなに優しく笑ったり、優しい喋り方もできる人だって、

初めて知って、見方が少し、変わりました」

「・・・」

私もフッと笑い、また料理を食べ始める。

それ以上会話がなかったが、なんだかその穏やかさが、

料理を更に楽しませてくれた。