シュシュ~番外編①~

窓側の席に座ると、さっき龍之介がオーナーだと言っていた

男性が一人、こちらにやってきた。…確かにイケメン。

思わず、目が釘付けになる。

…龍之介が不機嫌になっている事も知らず。


「いらっしゃいませ、可愛らしいお連れ様も一緒だったんですね」

そう言ってニコッと微笑んだオーナー。

私はほんのり頬を染め、笑顔を返した。


「…すみません、無理を言って」

若干の不機嫌な顔を残した龍之介が、オーナーに言った。


「いえいえ、今日は、予約が入っていなかったんだ、

気にしないでください・・・

もうすぐ出来上がりますから、もうしばらくお待ちください」

龍之介の不機嫌な理由が分かったオーナーは、

フフッと笑って席を去った。


…間もなくして運ばれてきた料理。

盛り付けも、大きなホテルのレストランに負けない素晴らしいもの。

でも、それを口にすると、上品なのに、なんだか家庭的で、

思わず顔がほころぶ。

「美味しい」

そう口にせずにはいられない。


「だろ?たくさん食べろよ」

「はい」

「・・・・」

私の返事に、目を見開き、私を凝視する龍之介。

「・・・何か?」