シュシュ~番外編①~

一気にまくしたて、ちょっとスッキリした。


「・・・お前は、何も知らない」

「・・・え?」


赤信号で止まった車。

そこで初めて、私の方に視線を向けた龍之介の眼差しは、

どこか切なげで、胸がキュンとした。・・・のに。



『グ~~~~』

「・・・・」

「・・・・///」


私の腹の虫が、もう限界に来るほど、お腹が空いたと悲鳴を上げた。

は、恥ずかしすぎる。


私は思わず顔を逸らした。


クククッ。

龍之介の笑い声が、車内に響き渡る。


「今の話しは、美織の腹の虫が大人しくなってからだ」

「・・・・」

穴があったら、入りたい。そんな気持ちだった。

…連れてこられたのは、一見普通の一軒家。

小首を傾げながら中に入り、ワッと、小さな声を上げた。

…なんて可愛らしい、落ち着けるレストランなんだろう。


「ここはオレが最初に手掛けた、小さなレストランだよ。

オーナーは優しくて、イケメン。腕前も絶品だ。

楽しみにしてろ」

・・・思わず顔が真っ赤になった。

だって、龍之介の顔が、あまりに優しい笑みを浮かべていたから。