シュシュ~番外編①~

オレの言葉に、当然顔は怒った表情になる。


「オレと大泉さんとは釣り合わない」

そう言い残し、席を立った。そして、その場を去ろうとするが、


「待って」

貴子が、オレの手首をギュッと握って離さなかった。

…めんどくさい女だ。


「大泉さ・・・・」

そこまで言って、オレの思考は一時停止した。



「これは、これは、星野社長、妹と、デート、ですか?」

そう言って微笑んだのは、他でもない、

大泉要社長、その人だった。


・・・が。



「…美織、なんでお前がここに」

大泉に連れられた、いつもと装いが違い、可愛らしい、

ミニスカートのワンピースを着た美織が立っていた。

・・・しかも、大泉の手は、しっかり美織の手を握っていた。



「…龍之介さん」

声にならないほど小さな声で、そう言って美織。

…なんだか複雑な表情をしていた。