シュシュ~番外編①~

「私の顔に、何か?」

あんまり見つめられるので、貴子はそう言った。

「・・・いえ、何でもありません」

オレは咳払いをし、コーヒーを手に取り、呑みこんだ。



「今日は、来てくださって嬉しいです。

ずっと貴方に想いを寄せていたので・・・」


「…そうなんですか、それは嬉しいですよ」

貴子の言葉に、社交辞令の言葉を投げかけた。

…が、それはそこで終わり。

こんなオレは、オレじゃない。こんな女に想われても、

ちっとも嬉しくはない。



「とりあえず、何か食べます?もう、お昼ですし」

そう言って微笑む貴子。


「…いえ、これから人に会わなければならないので、

オレはこれで失礼します」

「・・・え?」


オレの言葉に、当然ながら、動揺している貴子。


「貴女には、もう二度とお会いしないでしょう」

「どういう意味ですか?」


「オレは、大泉さんと結婚なんてするつもりもないし、

それ以前に付き合うこともあり得ない」

「・・・ッ?!」