「どうした、…美織」
オレを呼び止めたのは、美織だった。
…珍しく、大きな声で、呼ばれ少し驚いた。
大きな声を出すと、こんな声なのか。と思わず思ってしまった。
「ぁの、これ!」
「え?」
オレに押し付けた紙袋。…中には箱のような物が。
「どうしたんだよこれ、美織?」
東吾が顔を覗かせ美織に尋ねる。
「今日、お兄ちゃんに言付ける筈だったお礼の品」
「…お礼?」
「この前、家まで送ってくれたから」
それだけ言うと、逃げるようにその場を立ち去った美織。
オレと、東吾はその後ろ姿を、数秒、何も言えず、見つめていた。
「…なんなんだアイツは」
数秒後。東吾がボソッと呟いた。
「さぁな」
呆気にとられている為、そんな言葉しか出なかった。
…車の中、美織からのお礼の品をそっと紙袋から取り出す。
「…ネクタイ」
オレの好きな柄のネクタイが箱の中から出てきた。
「お、いいな。龍之介に似合いそうだ」
バックミラー越しにチラッと見た東吾が呟いた。
・・・思わず、顔がニヤける。
オレを呼び止めたのは、美織だった。
…珍しく、大きな声で、呼ばれ少し驚いた。
大きな声を出すと、こんな声なのか。と思わず思ってしまった。
「ぁの、これ!」
「え?」
オレに押し付けた紙袋。…中には箱のような物が。
「どうしたんだよこれ、美織?」
東吾が顔を覗かせ美織に尋ねる。
「今日、お兄ちゃんに言付ける筈だったお礼の品」
「…お礼?」
「この前、家まで送ってくれたから」
それだけ言うと、逃げるようにその場を立ち去った美織。
オレと、東吾はその後ろ姿を、数秒、何も言えず、見つめていた。
「…なんなんだアイツは」
数秒後。東吾がボソッと呟いた。
「さぁな」
呆気にとられている為、そんな言葉しか出なかった。
…車の中、美織からのお礼の品をそっと紙袋から取り出す。
「…ネクタイ」
オレの好きな柄のネクタイが箱の中から出てきた。
「お、いいな。龍之介に似合いそうだ」
バックミラー越しにチラッと見た東吾が呟いた。
・・・思わず、顔がニヤける。

