シュシュ~番外編①~

「それじゃあ、今後の事について、お話を始めましょうか」

俺達と反対側に座った要が、仕事について話しはじめた。

・・・やっぱり気になる。


やたらとボディ―タッチが多い要。

終始イライラしながら、仕事を進めた。


「…これで終わりですね。新社長も、その秘書も、

とても有能な方で安心しました。これからも末永く、宜しくお願いします」


帰り際に言われ、オレに手を差し伸べた要。

オレもサッと手を差し出し、その手を握った。

…力強く。

美織にも、東吾にもわからなかった。

分かったのは俺自身と、要だけ。


「・・・何かと、ライバルにもなりそうですね」

その言葉に、思わず眉間がピクリとしたが、表情は崩さなかった。

・・・コイツも、美織が好きなんだな。

そして、オレが好きな事も、コイツにはわかったようだ。



「・・・何かとライバルになるって、なんのことだ?」

意味が全く分かっていなかった東吾がオレに尋ねる。


「・・・さぁ、なんのことだろうな」

そう言ってしらばっくれた。

会社の玄関の所で、


「星野社長」

誰かがオレの名を呼んだ。