「お待たせして、申し訳ありません」

そう言って、やっと社長が入ってきた。

・・・その社長の顔を見て、しばし固まる。


おいおい、この若くてイケメンな男が、この会社の社長だって?

オレも社長になるには少し若いが・・・

今まで、この会社は親父が来ていただけだったから、

まさかこんな男が社長だったとは知らなかった。

しかもこのイケメン社長の秘書が。


「…ぁ」

オレの顔を見て、目を見開いた秘書。


「久しぶりだな、美織」

「…どうも、お久しぶりです」

オレの言葉に小さくなってしまった。


「何だ、安藤さんの知り合いだったんだね」

そう言って微笑んだ社長、大泉要社長(28)。

「・・・はい、星野社長の秘書をしてる、安藤東吾の妹ですから」

「・・・あ~、なるほど」

美織の言葉に、納得している要。

…しかし、要の行動が、一々目につく。

…美織に近すぎるだろ?

しかも、美織も何も言わないし。