「そっか…ありがとう」

それだけ言って、電話を切った。

…押し切られない限り。

その言葉を聞くと、なんだか胸が痛かった。


押し切られたら、結婚しちゃうかもしれないんだ。

・・・ん?…好きでもないのに、

何でこんなに色々考えちゃうんだろう?

・・・止めた、止めた。


私は考えることをやめると、

用を済ませ、さっさとベッドに潜り込んだ。

寝る、寝る。…眠れない。


…唇の感触が、ずっと、残ったまま、

目を瞑っても、目を開けても、龍之介さんの事が、

忘れられない・・・



龍之介さんの、…バカ。