シュシュ~番外編①~

・・・これからも、お兄ちゃんと親友を辞めない限り、

龍之介さんとは顔を合わせるだろう。

・・・それじゃあ、一体どんな顔をして会えばいい?

今までだって、怯えて近づけなかったのに、

更に近づけなくなりそうだ。


じゃあいっそのこと、面と向かって、

『なんでキスしたんですか?』

って、聞いてみようか?…そんな事が出来れば、誰も苦労はしない。


…お兄ちゃんに、相談?

いやいや、お兄ちゃんに言えるわけない。

お兄ちゃんはきっと、龍之介さんを怒りそう。

…シスコンだから。



…誰かに相談したいな。


「・・・もしもし」

「…どうしたの、美織さん?」


「・・・薫子ちゃんに、聞きたい事があって」

「なんですか?」


・・・結局聞けるのは、薫子ちゃんしかいない。

龍之介さんをよく知ってる薫子ちゃん以外に、適任者はいなかった。


「龍之介さんの事なんだけど」

「エ?お兄ちゃん?」


「うん・・・あのさ、龍之介さんて、彼女とか、好きな人とか、

いるのかな?」

「さぁ…お兄ちゃんて、謎の人だから」