「美織のだろう?」

「・・・はぃ」


オレは美織の手を引っ張ると、

手のひらの上に、イヤリングをそっと置いた。


「ぁりがとぅ」

そう言ってニコッと笑った。

…今度は、理性を保つ事が出来なかった。

大人なのに、今までずっと我慢してきたのに、

オレは美織の柔らかな桜色の唇に触れると、

硬直した美織の事などお構いなしに、優しく触れるだけにキスを落とした。



「///」

「…美織」


「お!・・・おやすみなさい!」

「?!・・・」

唇が離れた瞬間、そう叫んだ美織は、逃げるように部屋の中に入って行ってしまった。

…やってしまった。

キスした嬉しさ、2割。残り8割は、美織の気持ちを考えなかった事への、

・・・後悔。

オレは溜息を一つして、マンションを後にした。