『・・じゃあ、美織を頼んだよ』

そう言ってその場を去った東吾。

その場には、オレと、美織の二人が残った。


「…じゃあ、行くか」

「・・・はぃ」

小さな声でそう言った美織の言葉を聞き、

オレは先に駐車場に向かった。

美織はその後ろをちょこまかと、小走りについてくる。

…オレの身長は185㎝、それに対し美織は152㎝と小柄なためか、

オレの歩調には、小走りじゃないとついて行けないらしい。


・・・そんな事にも気づいてやれないで、

振り返ると、美織は少し息が切れていた。


「・・・どうした?」

「ぃえ・・・」

息を整えながらそう言った美織は、ほんの少し微笑んだ。

…ヤバい、その顔があんまり可愛かったから、

無意識に、美織を引き寄せ、抱きしめてしまった。


…美織は、オレの行動に驚き、赤面のまま、硬直している。

ハッとしたオレは、サッと美織を離した。


「…悪い」

「・・・///」

きまずいまま、美織を助手席に乗せ、オレは運転席に。

「…お酒飲んでるのに・・・いいんですか?」

少し不安そうな美織の声。