そう聞くと、 『うん。まだ帰ってきてないと思う。』 絢芽が言った。 『着替えとかは、学校に持ってきた?』 『うん。』 絢芽が言ったので、 『じゃあ、帰ろう…。』 俺は言い、一緒に歩きだした。 『…いいの?』 絢芽が聞く。 『だって、帰りたくないんだろ?俺ん家は、親父しかいないから大丈夫だよ。』 俺が言うと、絢芽は、 『ありがとぉ。』 一言だけ言って、黙って歩いていた。