俺は受け取って、そう言うと、大水槽の前で、たくさんの魚を眺めたまま、嬉しそうに、はにかんだ。 『でさー、手紙読んだよ!俺、鈍感みたいで気付かなくてごめんな。 …俺、自分の気持ちとかよくわからねぇーんだけど、守ってやりたいとか笑顔を見ていたいとは思うんだ。何もしてやれねぇーけど、側にならいてやれる。そんなんでも良いか?』 俺はそう言いながら、アザラシのヌイグルミを絢芽に手渡した。 絢芽は、 『うん。それだけで、じゅうぶんだよ………。』