「黙ってちゃわかんないでしょ?」

「…壱琉は」

ん?俺?


「壱琉は悔しくないの?」


―はい?悔しい?


「さっきも、言われたの。壱琉と帰ってる時を見てた子達が、『茉莉はこんなに美人なのに、幼なじみの槇田は本当に根暗で地味だね』って」


…あらら。俺、めっちゃけなされてんじゃん。


「それに『本当女王様と下僕!って感じだよね!並んでてもカップルに見えないもん!』って」


言う彼女の目にはだんだんと涙が溜まってきていた。