「いいから言ってみなさい?」
「やだ!またぐちぐち言われるのは目に見えてるんだもん!」
「いいから言うの!」
「なんでよっ!」
「それはあいつの慌て…ふぐっ?!」
私達の言い争いがヒートアップしてきたころ、蘭の口を大きな手が止めた。
「二人ともそこまでー」
「なにすんのよ翔己!今いいところだったのに…」
「蘭、あいつの気持ちはそろそろ暴走しそうなの、まぁちょっとは暴走してるけど…火に油注いだら大変なことになんだろ?うまくいってほしいなら、黙って見守ってやれよ」
何を話してるかは、私の耳には聞こえてこなかった。
でも、二人の空気から真面目な話をしていることだけは伝わった。

