「え、あの…道間違えてますよ?」 「ん?間違えてないよ?何言ってんの?」 その時のお兄さんの目が…鋭く光った気がした。 身体が危険信号を発している。 「や、やっぱ大丈夫です!ありがとうございます…」 肩に回された腕を払い、逃げようと踵を返そうとした…が。 「逃がさないよ」 いとも簡単に腕は捕まれた。 「やだっ離してっ…!」 声をあげても周りに人はいないから、助けてくれる人なんて誰もいない。