「もちろん、怜はその好きな人とやらと付き合うことが条件ね?」
「いーよ。好きな人と付き合ってみせるよ。じゃあ勝ったら俺の願い事一つ聞いて?」
「おおよかろう!なんでも聞いてやるぞ!」
ふっふっふー怜に好きな人なんているわけないんだから!私が勝ったも同然よ
「あ、俺、好きな人いるっての本当だから」
さらりと真顔で言われ、私は驚く。
「え?!誰?!私の知ってる人?」
興味津々で聞く私を無視して、怜は立っていた私の腕を引っ張り、自分の元へと引き寄せた。
そして、私の耳元で、聞いたこともないような、すごく甘い、すごく妖艶な声で囁いた。

