背後から聞こえた辛辣な声。

「ゆ、結人、おはよ」


見るといつの間にやら私の身長を追い越していた、私の弟。

国立 結人、中学3年生。


「おー結人おはよ」

「怜兄おはよう、いつもこんなブスのためにありがとう」


姉までもをブス呼ばわりか…

私は怒りたい気持ちを抑え、慌てて身支度をする。



「恵菜さんに挨拶したの?」

「するってば!」


先に家をでる怜の後ろ姿を見たあと
慌てて和室に駆け込んで正座をする。


「ママ、行ってきます」


仏壇に手を合わせ私は家を飛び出す