重たい身体を起こし、机の引き出しをゆっくり開ける。 小さな缶ケースの中から少し古びた写真を取り出した。 まだ、小学校に入学したての結菜と俺が、仲睦まじく手を繋いでピースをしている写真だ。 目を閉じて、その頃を思い出す。 ――― "結菜ーっ!結菜は大きくなったら俺のお嫁さんな!" "えーっ!なんでえ?" "俺は結菜が好きだから!" "結菜は怜のこと好きじゃないよ?たかし君が好きだもん!" "はあ?!じゃあ…俺のこと好きにさせてみるからな!"