顔を上げると同時に、唇に微かに感じた温もり。 視界は暗くて、よく見えない。 光が戻ってくると、光を遮っていたのが岳君の顔だったというのがわかった。 「…え?」 岳君と目が合い、彼は真剣な瞳で言った。 「結ちゃん、俺、結ちゃんのことが好きだよ。彼女になってほしいんだ」